コラム(時効)
突然の督促状と時効
最近のご相談で、立て続けに時効であると思われる借金の請求を受けたという案件が増えています。
話を聞いてみると、「10年くらい前に借入れをした記憶があるが、請求も来ず忘れていたところ、最近になって急に督促状が来た」という訳です。
しかも、借りたのは20万円であったはずなのに、督促状には150万を支払えと書いてあります。
これは、支払わなかったことにより延滞金が膨らんで元金にプラスされているのですね。
以前の投稿にも書きましたが(「その借金、払う必要ないかもしれません!」)、まずは、慌てないことが重要です。
そもそも、身に覚えがあるのか否か、身に覚えがあっても本当に支払う必要があるのか否か、落ち着いて考えてみましょう。
業者は時効にかかっている借金と分かっていながら請求をしてくるのが通常です。
ところで、時効は、「時効になっているので私は払いません!」との明確な意思表示をして初めて効果があります。自動的に消滅するわけではないのです。
ご自身で対処することも可能ですが、ちょっとした不注意で時効が使えなくなってしまうことがあります。
例えば、業者の電話に出た際に、「支払いはするつもりだが、今は払えない。少し待って欲しい」などと、借金の存在を認めるような会話をすると一発でアウトです。会話は録音されているので、後に裁判で争いになっても覆すことは困難になります。
業者とのやりとりは慎重に対応する必要があります。
身に覚えのない借金の請求、突然督促状が届いたというケースは時効を利用して支払わなくてよいケースも多いので、まずは慌てず、迷ったらお気軽にご相談ください。相談料は無料です。
その借金、支払う必要ないかもしれません!
普通に平穏に生活しているところに、突然1通の督促状が届く・・・
「滞納金額100万円があります。至急下記までご連絡ください。ご連絡ない場合には法的手段をとります」
こんな督促状が突然届くと、気が動転してしまいますね。
よくよく当時のことを聞いてみると、「確かに10年前くらい前にキャッシングをしたが、支払うつもりはあったものの、途中から請求がこなかったのでつい支払わずにそのままになってしまって・・・」という方が圧倒的です。
しかし、その借金、支払う必要はないかもしれません!
実は、返済すべき借金がいくら残っていようとも、最後の返済から5年を経過していると、「時効」が成立し、借金は支払う必要がなくなる可能性があります。
しかし、ここで大事な注意点が2点あります。
それは、その場で絶対に業者に電話をかけないことです。
電話は全て録音されているのです。
業者との会話の中で、借金の存在を認めるような発言をすると、その「時効」という制度が使えなくなってしまいます。
また、絶対に支払いをしないことです。1円でも支払ってしまうと、やはり「時効」は使えなくなってしまいます。
業者はそれを知っていながら、「金額は考慮しますから、とりあえずまずは今日1000円だけでも振込んでください。そうしたら、特別に請求金額を減らしますから」とそそのかしてくるケースがよくあります。
とにかく、最後返済した時から5年は過ぎているなと思う時には、時効が使える可能性が高いということを覚えておいてください。
突然支払い督促状が届いたという方は、自己判断せず、まずはお気軽にご相談ください。
具体的な時効主張の方法や細かい条件はまた機会があれば書いていきたいと思います。